ある特別支援学校を見学して

少し前に、ある特別支援学校を見学する機会がありました。その学校は高等部だけが単独で設置されていて、知的障害の軽い生徒が通っています。学科は普通科ではなく就業技術科で、卒業後に生徒全員が就職することを目指しています。

見学して特にユニークだと思ったのは、学校内に飲料の自動販売機があって、販売機の管理業者が商品の補充などを生徒の前でやってみせることです。実際の仕事を見ることで、仕事に対するイメージができ、就職への意識づけにつなげられるところが良いと思いました。

また校長によると、学校の周辺の地域では中小企業が多く、さまざまな種類の仕事をこなすことが求められるそうです。だから学校としては、ひとつの仕事だけをきわめるよりも、企業のそうしたニーズにこたえられるような生徒を育てたいということでした。

さらに学校のある地域では生活保護世帯が多く、在校生の背景事情もさまざまだそうです。中学時代に不登校だった、あるいは自尊感情や自己肯定感が低かったという生徒も多かったのですが、高等部に入学してからは徐々に教員との信頼関係を築けるようになったとのことでした。

私は特別支援学校と企業の両方を見学したことがありますが、そのたびに感じることは、知的障害のある人は、学校を卒業して企業に就職すると著しく成長する、ということです。言い換えれば、学生・生徒と社会人とのギャップをものすごく感じます。

だからといって、学校を否定するつもりはありません。むしろ学校の役割は、企業で大きく成長するためのベースを作ることにある、といってもよいでしょう。
見学した学校で先生方の話を聞いていると、地域の実情や生徒の特性に合った指導を一生懸命に模索している様子がうかがえました。そうした努力が、卒業後の生徒の成長という形で実ることを期待したいと思います。

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